本革テンガロンハット

牛本革テンガロンハットができました。

お客様よりテンガロンハットがほしいとの相談がありました。お話の中でより本格的な帽子をご希望されていましたので少し時間をいただき、私自身も始めてのチャレンジで牛のヌメ皮を使ったテンガロンハットを作ってみることにしました。

本皮の縫製は薄く軟らかいピッグスウェードなどでのキャップやバッグで経験がありましたが2mm厚の硬い牛ヌメ皮を縫ったことはありませんでした。2mm厚の牛ヌメ皮は庇の芯材として仕入れてあったものを使用しました。型紙は以前にテンガロン風の綿生地ハット作成したときのものを修正して作りました。本体部分は継ぎ目が左右横2ヶ所から後ろ1ヶ所に変更。天部分はカーブがきつくて縫いづらい部分は少し緩めのカーブに変更しました。庇2ヶ所の継ぎ目をなくし1枚取りの継ぎ目なしになります。また素材が硬いので庇内側の頭に沿う部分は頭の形に合わせるように前後に長くなるように穴を開けました。裁断後の継ぎ目の縫製は今までの縫い方と全く違います。生地の場合は縫い合わせた後縫い目を伏せテープで隠すように縫っていましたが今回は重ねた縫い継ぎ部分をダイレクトに縫い合わせていきました。素材が硬くちぢみなどの要領が経験ないため試行錯誤の連続でした。横パネルと天部分がうまく合わなかったり、本体と庇の縫い合わせも何度も縫い直しました。縫い直しも素材が皮だけに針穴が残らないように調整したりパーツを作り直したりと苦労を重ねました。

時間がかかりましたが何とか本体が完成しましたが庇の縁取りとビン皮(汗取り)に使用する薄手の皮が茶色の皮でしたので、本体も茶色に染色することにしました。

皮の染色も初めてでしたが材料をそろえて何とか塗り終えることができました。最後にあご紐と押しのハトメ穴を作り皮紐を通して完成となりました。

お客様には大変長くお待たせしましたが何とかお渡しすることができました。初めての本格的な本革のテンガロンハットでしたがまだまだ勉強することが多く大変よい経験になりました。